ジョナス・メカスによる365日映画、5月、125日目。
Day 125: Jonas Mekas
Saturday May 5th, 2007
13 min. 08 sec.
Korean dancers
celebrate Spring
Washington Square
Park, New York
韓国人のダンサーたちが
春を祝う
ワシントン・スクウェア・
パークで。
メカスがコリアン・ダンサーと大雑把に書いているのは、NYURI(New York University Rhythmic Impulse)のメンバーたちであり、韓国系の学生だけでなはない。韓国語で「世界」を意味するNYURIはニューヨーク大学を拠点とする韓国文化を教え学ぶ学生組織である。その文化的核は、プンムル(poongmul)と呼ばれる春に豊作を祈願する農民の音楽と踊りに由来する。
世界的に有名な、日本でも作家の中上健次がいたく惚れ込んだことでも知られる、超絶打楽器集団のサムルノリ(Samulnori)のルーツはプンムルに遡る。
昨日、この映像を見て、私は次のように書いた。
周囲を人垣に囲まれた公園の一角らしき場所で、韓国とアフリカの混成太鼓奏者たちと尺八によるリズミカルな演奏をバックに、総勢20人くらいのダンサーたちが、思い思いの出で立ちで登場しては、時に整然と同じ振り付けで踊り、時にばらばらな動きを見せ、時に言い争いさえ見せるという演劇的な要素も含んだパフォーマンスを繰り広げる。
前エントリーに書いたように、昨日は、「ジョン・ゾーンのコブラ、パート2」という文脈で、この韓国の伝統的な音楽と舞踏のパフォーマンスを見ていたのだった。「プンムル」という文脈にそっくり入れ替えて上の文章を読んでも違和感はない。
メカス参観したのは、Poongmul.comのイベント・カレンダーから、4月27日のNYURIによる毎年恒例のパフォーマンスだと思われる。
この時期に、韓国の音楽と踊りのルーツと伝統に深い共感と理解を示す映像をアップするメカスの見識に感服した。