文字を書く楽しさが伝わってくる父と子の手書きジャム・セッション。出演はWouters父子。
"abcdefghijklmnopqrstuvwxyz", 04:21
タイトル・クレジット:
"abcdefghijklmnopqrstuvwxyz"
a video by Job & Roel Wouters
recorded in Amsterdam at studio Xelor early 2008
hand 1 Gradus W. Wouters, Amsterdam, the Netherlands, 2003
hand 2 Job Wouters, Leiden, the Netherlands, 1980
directed by Roel Wouters
director of photography: Sal Kroonenberg
music: Rik Elstgeest & Bo Koek
production asst: Ton de Munck
thank you:
Creative Review
Nexus Productions
Sony
note of the director:
'Job and Gradus are both ambitious concerning letters.
Spontanious jam sessions in our studio inspired us to make this film about the fun drawing letters'
"abcdefghijklmnopqrstuvwxyz"は、今年始めにアムステルダムのスタジオXelorで撮影された、Wouters夫妻製作によるビデオ作品である。「手1」はまだ4歳の息子グラドゥス、「手2」が父のジョブ。監督は母のロエル。ロエルの注にあるように、そもそも彼女のスタジオXelorで、文字が大好きな父子の間に自然に生まれたジャム・セッションが元になった作品らしい。
ジョブはデザイナー兼カリグラファーのようである。
ロエルはアート・プロデューサーのようである。
"abcdefghijklmnopqrstuvwxyz"は、文字(を書くこと)が大好きな親子の微笑ましい記録として楽しんで見ることもできると同時に、親子の対照的な筆運びと紙に描かれる文字の形の大きな違いに、人間と文字との関わりの歴史の一断面を垣間見た気にもさせられる。特に幼いグラドゥスの稀に逆行する筆運びには、文字が孕む「裸の力」、回転モーメント?を感じさせられた。インドのカリグラファー、ジョーシー(R. K. Joshi)の言う「スペースの自己表現」を連想した(杉浦康平編著『アジアの本・文字・デザイン』asin:4887521960、295頁)。