いざ北へ2008その3銀河鉄道0730

宮澤賢治も招くよ*1


銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治の童話作品。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと幻想的な銀河鉄道の旅をする物語。豊かなイメージに満ちており、様々な解釈が行われている作品である。(銀河鉄道の夜 - Wikipedia

これは、「先人からの伝言」でもあるわけでして...

 遠くなだれる灰光と
 貨物列車のふるひのなかで
 わたくしは湧きあがるかなしさを
 きれぎれ青い神話に変へて
 開拓紀念の楡の広場に
 力いっぱい撒いたけれども
 小鳥はそれを啄まなかった

 「札幌市」と題する賢治のこの詩の舞台は、札幌・大通西6丁目の大通公園らしい。そこに険しくそそり立つ石碑には、「開拓紀念碑」と刻まれている。
 「紀念」という漢字は、日本ではあまり使われない。詩も、碑と同じ「紀」になっていることなどから、この碑が「札幌市」の舞台だった可能性が高いというのだ。
 碑の裏には明治19(1886)年9月とある。賢治が見ていたとしても、おかしくはない。

 旭川工業高等専門学校で哲学や文学を教えている石本裕之教授(49)は、賢治と北海道のかかわりを調べてきた。この詩について石本さんは、賢治が1923(大正12)年7〜8月、北海道や樺太(サハリン)などに出かけた北方への旅の体験をもとに作られたとみる。前年、最愛の妹トシが亡くなっている。「青い神話に変へ」たのは「トシの死」。その痛切な悲しみをうたったと石本さんは解釈する。
「先人からの伝言」(8)宮澤賢治

85年前の夏、宇宙的な見晴らし*2を求めてブラキストン線を越えた賢治を迎える人はいなかった。しかし、2008年の夏は違う*3

*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Miyazawa_Kenji.jpg

*2:ちょっとずれるけど、無縁ではない話はこちら。http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20080529#1212013708

*3:石本さ〜ん。届くかな