オレンジ色の大きな傘

いつものように藻岩山に向かう道を歩いていたら、向こうからオレンジ色の大きな傘がやって来た。一瞬、まるで巨大な花が町内を散歩しているような錯覚にとらわれた。その下に見覚えのある小柄な姿。めんこいねえのおばあさんだった。

「いやあ、可愛い傘ですね!」
「そうかい。傘もささないで、どうしたの?」
「写真を撮るのに邪魔だから、、。それに小雨だし、、。一枚、撮らせてください」
「なに、馬鹿なこと、、(笑い)毎日ひとりで散歩してるのかい?」
「はい」
「また犬を飼って歩きなさいな」
「ええ、、」