モザイクという偏見

精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)

精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)

精神 [DVD]

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目に見えるフィルターとしてのモザイクばかりでなく、目に見えない偏見としての「モザイク」に、想田和弘監督は挑んだ。ドキュメンタリー映画『精神』はまだ観ていないが、想田和弘著『精神病とモザイク』を読み、YouTubeにアップされている映画の予告編と映画を特集したNHKの番組を観て、現実を、とくに人間関係をどれだけ深く引き受けるかというたえず突きつけられる問いの前に改めて立たされた。大変興味深かった。ただ、フィクションとドキュメンタリーの境界の問題よりも、ドキュメントされた現実は、ドキュメンタリー映画が完成し公開され映画賞を受賞した後も、容赦なく続くということは忘れてはならないだろう。想田和弘さんの偉いところは、本書の印税の50%を岡山での地域の精神医療や福祉に役立つように寄付し、映画『精神』の配給収入等の一部も日本の精神医療や福祉に役立つように寄付しているところである。彼はそこまで日本の精神医療の現実を引き受けている。


映画『精神』予告編


精神 1/3


精神 2/3


精神 3/3