真鴨、針桐、泥の木、小楢、野茨、大虎杖、苦木、茶貝殻茸


マガモ(真鴨, Mallard, Anas platyrhynchos)の親子、南の沢川



ハリギリ(針桐, Castor aralia or Prickly castor oil tree, Kalopanax pictus Nakai)、別名センノキ(栓の木)



ドロノキ(泥の木/泥柳/白楊, Japanese poplar, Populus maximowiczii A. Henry




コナラ(小楢, Japanese small oak, Quercus serrata



ノイバラ(野茨, Multiflora rose or Baby rose, Rosa multiflora)の果実、生薬名エイジツ(営実)、薬効



未詳



雪解け水、豊平川河岸の排水口



空き缶、豊平川



石、豊平川



オオイタドリ(大虎杖, Giant knotweed, Polygonum sachalinense




ニガキ(苦木, Quassia wood, Picrasma quassioides)



弱った桜の木の幹にチャカイガラタケ(茶貝殻茸, Blushing bracket, Daedaleopsis tricolor



町の長老、苅谷さんと


シラカバの樹液の話をすると、案の定、苅谷さんは子どもの頃、春先にそのほんのり甘い水を飲んだことがあると言った。シラカバの話を皮切りに、苅谷さんの口からは次々と樹の話が飛び出した。いずれも体験に根ざした感情豊かで具体的な知識であることに感心した。苅谷さんが語った話題を思い出せる限り列挙すると。

ラカンバは成長が早いので良材は少なく建材には向かない。シラカンバからスキー板を作った。ダケカンバの芯はシラカンバの芯より赤い。マカンバ(ウダイカンバ)は油を多く含んでいるのでよく燃える。樺類は剥がれやすい樹皮のせいで腐りやすい。ヤマカエデ(ヤマモミジ)の材質は密で強い。アカダモ(ハルニレ)の倒木にはタモギタケがよく生える。田圃では霞網でスズメを捕まえた。戦後、ドイツトウヒ(ヨーロッパトウヒ)が防風林として大量に導入された。近所のカラマツ林の寿命はなぜか短く三十年ぐらいだ(一般には百年から三百年と言われる)。この東屋の建材はカラマツ。あの建設中のアパートの建材はトドマツ。罠にかけて捕ったヤマウサギ(エゾユキウサギ)はささ身のような味だった。オオカミの話。


「オオカミの話」とは、1930年代苅谷さんが子どもの頃、苅谷さんが暮らしていた道東の土地ではオオカミがまだ生存していると信じられており(エゾオオカミは一般には1900年頃に絶滅したと言われる)、夜な夜な人家に忍び寄り、隙あらば家の中に入り込み、人を襲って食うという噂がまことしやかに囁かれていて、子供心に怖かったという話。