五月晴れ


出勤途中に二箇所で日の丸の旗が付いた1メートルに満たない小さな鯉のぼりを見かけたが、風は無く、泳いではいなかった。井上孝治(1919–1993)の写真カレンダーの五月の写真には、五メートル以上はありそうな長い竹竿を立て、その上部に可動式に固定されたもう一本の短い竹竿から大きな鯉の五匹家族が垂れ下がっている。死んだように見える。撮影された時には風がなかったのだろう。説明文にはこう書かれていた。

五月晴れのある日、
夕陽を浴びて、鯉のぼりが
光っている。三組の兄弟が
やってきた。風が無くても
鯉は生き生き泳いでいた。
昭和33年 長崎市


そうか。顔を近づけてよく見ると、たしかに鯉のぼりは天に向かって泳いでいるように見える。「五月晴れ」の本来の意味は、旧暦五月(新暦六月半ばから七月半ばにかけて)の梅雨の合間の晴天であるが、ここでは誤用として広まった、新暦五月のすがすがしい晴天という意味である。


井上孝治関連エントリー


***


今日は札幌も五月晴れである。桜だけでなく、木蓮辛夷も次々と開花している。ポプラや白樺など花の目立たない木々の若葉も目立ちはじめた。



エゾヤマザクラ蝦夷山桜, Sargent cherry, Prunus sargentii



キタコブシ(北辛夷, Japanese magnolia, Magnolia kobus var. borealis




エウロアメリカポプラ(Hybrid black poplar, Populus × euroamericana Rehder)、通称改良ポプラの若葉と雌花



シラカバ(白樺, Japanese white birch, Betula platyphylla var. japonica



神樹こと、ニワウルシ(庭漆, Tree of Heaven, Ailanthus altissima



フキ(蕗, Fuki or Giant butterbur, Petasites japonicus var. giganteus)。見知らぬ老夫婦が今が旬と蕗をたくさん採っていた。