バイカウツギの芳香成分:テルピネオール


バイカウツギ(梅花空木, Sweet mockorange, Philadelphus satsumi [coronarius])。薬効。背景は、『牧野日本植物圖鑑』(北隆館、昭和32年、31版、増補改訂版)487頁、「ばいくわうつぎ」の項。


バイカウツギの純白の花の甘い香りは、鼻を花から数センチの距離にまでもっていかなければ嗅ぐことはできない。バイカウツギのいわば芳香空間は極めて小さい。その甘い香りの特徴は、ニセアカシアよりはしつこくなく、オオヤマレンゲほど軽やかではない、両者の中間的な甘い香りである。一度嗅いだら、決して忘れられないほど三者の甘い香りははっきりと違うのに、日常の言葉でうまく表すことができないのはもどかしい。ちなみに、化学の言葉では、バイカウツギの花の芳香成分は、α-テルピネオール(terpineol)である。