猫の客


ノラとチロ


脚立の天辺にいたチロは私に気づくと慌ててそこから飛び降りてプランターの大葉の陰に隠れたつもりでこちらをずっと窺っていた。手前にいる母親のノラはもちろん私に気づいているが、逃げも隠れもしない堂々とした態度で、この直後には毛繕いさえ始めた。ノラによる「野生の教育」はこうして続いている。