少年のようなジダン。いつもどこか寂しげで、サッカー・ボールだけが友達の少年。そんな少年が命がけで守る世界はどんな世界だろうか。その外側には私利私欲にまみれた大人たちが興ずる「汚れたゲームの世界」がある。あの瞬間、私たちは少年ジダンが私たち大人の手の届かないところへ行ってしまったことに動揺し戸惑った。理由?そんなものはあんたたちが納得するように作ればいい。子供たちに何と説明したらいいんだ?と浮き足立ったフランスの大人たちよ、あなたたちが知りたがらない「真実」を子供たちはとっくに知っているよ。あの場面をちゃんと見せてあげれば、それでいい。ピッチを去るまでのジダンの姿から、子供たちはあなたたちの千の言葉からよりも、大切なことを学ぶだろう。「名誉」?これからこの世界を生きていく子供たちにとって、あなたたちを満足させる名誉など何の役にも立たないだろう。必要なのは「真実」ではないのか。ジダンは少年のように最後まで「真実」のために立派に闘った。
象徴的な映画『ジダン 神が愛した男』が日本でも公開間近である。
http://www.zidane.jp/