老いと闇の魅力

2006年(平成18年)12月2日付「朝日新聞」(夕刊)の文化芸能欄で目に留まった展覧会と舞台の数々。観に行きたい。

学生さん、川崎市民ミュージアムではグラフィック担当および映画担当の学芸員募集してるよ。

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同じ文化芸能欄で切通理作氏が実相寺昭雄監督の追悼文「『闇への憧れ』に安堵感」を書いている。高度経済成長とそれに乗っかった未来観に密かに抵抗し続けてきた実相寺監督の特異な視線に深く共感を寄せる印象的な追悼文だった。

手前の人物やモノごしに極端に小さく人物を捉えるカメラワークからは、この世界をおそるおそる覗くような視線の快楽がうかがえる。
(中略)
実相寺監督の作品には、この世のど真ん中ではなく、片隅に生きながらも、誰ともわかりあえない世界を志向してしまう登場人物が目立った。それは監督自身の著書の題名にもある「闇へのあこがれ」だったのかもしれない。

あの「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」シリーズの中にも実相寺監督が演出を手がけた回には、一目でそれとわかる対象への独特の心情が漲った視線が感じられるとも切通氏は書いている。大変興味深い。

「実相寺昭雄監督の仕事」
「鬼才・実相寺昭雄の夢幻ワールド」

等の実相寺昭雄監督関連サイトを覗いてみて、びっくりした。知らなかった。英国の画家フランシス・ベーコンの「眼」が実相寺監督に受け継がれているらしいことを。著書『闇への憧れ』は古本で¥26,250の値が付いていた。

古書Dejavu