記憶の映像化 : 365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスの365日毎日一本映画を公開するというとんでもない企画6日目。

Saturday Jan. 6th, 2007 5 min. 30 sec.

A visit to the castle
of Marquis de Sade,
Provence.
With Taylor Mead
and Jerome Hill.

まだ若いメカスがマルキ・ド・サドの城を訪問したり、セザンヌのアトリエを訪問したりする。めくるめく膨大な記憶の断片=インデックスがわずか5分半に満たない時間のなかで、まるで「夢の映像」のように展開する。圧巻は後半の多重露光の映像。頭の中の記憶の生態を垣間みたような気分になる。凄い。
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(追記)
マルキ・ド・サドに関するインターネットならではの「情報」はなにかなと思って、試しにGoogle Videoで検索してみたら、ルイ・ブニュエルの『L'âge D'or(黄金時代)』(1930、57分、スペイン語字幕)が見られることが分かった。これはサドの同名の小説を下敷きにした映画で、サルバドール・ダリとの浅からぬ因縁があることでも知られる。

L'âge D'or
http://video.google.com/videoplay?docid=-496864221831234875&q=Marquis+de+Sade&hl=en

ちなみに、サドに関連するウェブ上の日本語情報は書籍情報以外にはそれほど多くない。ちょっと面白そうだと思ったのは、サド研究家でもあった小説家ピエール・クロソウスキーとその弟のピカソを驚愕させた画家バルテュス(妻は日本人の節子さん)は、母親バラディーヌと詩人のリルケとの間に生まれた子であるという澁澤龍彦の説(「危険な伝統主義者」)があることだった。決して単純ではないサディズムの思想の系譜に、リルケも翳を落としている(のか?)。