ジョナス・メカスによる365日映画、6月、152日目。
Day 152: Jonas Mekas
Friday June 1st, 2007 9 min. 15 sec.
Julius and me,
we work at Anthology
Film Archives,
a very poetic job --
(taped by Auguste)
ジュリアスと私、
アンソロジー・フィルム・アーカイブズで
仕事をする。
とても詩的な仕事…
(撮影はオーグスト)
アンソロジー・フィルム・アーカイブズのオフィスの壁にはところ狭しとポスターや写真や抜き書きやらが貼られている。その中からカメラは次のような芭蕉とRiveraの出所不明の言葉が抜き書きされた紙をクローズアップする。
"a poet needs
to discipline
himself every
day - "
…Basho詩人たるもの
毎日己を
鍛錬しなければならない
芭蕉
Only the work
of art itself
can raise the
standard of
taste
Rivera芸術の仕事だけが
センスの水準を
引き上げることができる
リベラ
次にタイプされたテロップが入る。
I WORK AT
ANTHOLOGY
FILM
ARCHIVESTHE WORK HERE
IS VERY
ROMANTIC...
アンソロジー・フィルム・アーカイブズの地下倉庫で、現在よりかなり若く見えるメカスとジュリアスは何やら重たそうな機材を運び出そうと悪戦苦闘している。二人掛かりでも持ち上げることはできない重さで、引きずったり、回転させたりしている。まさか、と思ったが、二人はそれを狭い急階段を使って地上階まで運び上げたのだった。ワン、ツー、スリーと声を出し合って呼吸と力を合わせて一段ずつ持ち上げたのだった。その様子を見ていてこちらも力が入ってしまった。そのかなり古くて重たい機材は、再び二人掛かりで引きずったり、回転させたりして、結局建物の裏口から外に運び出され、他の同じような古い機材の横に並べて置かれた。「粗大ゴミ」のようだ。
この「ゴミ出し」の仕事は、本当にやるの?と誰もが思うほどの無謀で突飛なアイデアであるという意味で、たしかに詩的あるいはロマンティックな仕事であると言えるかもしれない。詩人はゴミ出しにおいてもゴミ出しが単なるゴミ出しでなくなるまで己を鍛錬しなければならない。