Thought of Preservation, or good old friends in Red Hook:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、8月19日、231日目。


Day 231: Jonas Mekas
Sunday, August 19th, 2007
8 min. 25 sec.

Sunday brunch
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friends in Red Hook,
Brooklyn --

日曜日のブランチ
ブルックリン
レッド・フック
古き良き友たちを訪ねる…


空き地の多い未舗装の道路を車が行く。正体不明の古い友人がレッド・フックを案内する。レッド・フックは近年古い建物を再利用する形での新興著しい南ブルックリン地区のウォーター・フロントだ。これは昔靴工場だった、あそこはかつてドックだった、とその友人は教える。メカスはウィリアムズバーグでも無闇な取り壊しを差し止めようとしているんだと語る。その古い建造物の保存運動の一部は、6月10日に登場した。メカスは映画だけでなく、建造物の保存にも並々ならぬ関心をしめし、保存運動に協力してきたようだ。それは古ければ良いという単純な発想ではなく、正に集団的な人生の記録、記憶装置としての町並み、その景観を構成するひとつひとつの建物を大切にする、無闇に破壊しない、使い捨てないという思想に基づいているのだと思う。しかもそれは人生に関わるすべての物に適用される思想である。それは逆に、というか、対偶的真理として付け加えるなら、使い捨てられやすいものは作るな、という現代文明への根源的な批判を含意している。

そういえば、先日小旅行を共にした普段はマンハッタンにお住まいの橋村ご夫妻も、最近は若者たちはブルックリンに出かけるようになったと話していた。ブルックリンに住むアーティストも増えていると。

場面は替わり、その友人の家を訪ねたメカスは、窓から港を眺望する。船が見えるだろう、と友人。ほう!と吐き捨てるような声を出すメカス。なんと愚かなことよ、と聞こえる。カメラは港に停泊中の巨大な豪華客船クイーン・メリー2号(the Queen Mary 2)を捉える。

再び場面は替わり、友人とメカスはもう一人の古い友人に会いに行く。インディアンの長老のような風情の非常に深い笑みを湛えた人だ。レストランで三人は久しぶりの再会に乾杯する。メカスは白ワイン、二人目の友人は赤ワイン、一人目の友人はソフトドリンクのようだ。笑顔と笑い声の堪えない三人。毎日これが人生の最後の朝だと言ってるよ、アッハッハ、と二人目の友人。