札幌、晴れ。乾燥したちょっと冷たい風が心地よい。
散歩の帰り道のほぼ中間地点に立派な高い塀に囲まれた豪邸がある。いつも塀に沿った歩道を左半身に威圧感を感じながら歩く。その塀が途切れたちょうどそのとき、左手の空き地の方から、風に乗って淡い甘い香りが漂って来た。微かに酸っぱい匂いが混じっているように感じた。ノイバラ(野茨, Multiflora Rose/Baby Rose/Rambler Rose, Rosa multiflora)だった。こんなところにもあったのか。園芸種の薔薇のイメージからはかけ離れた野生のバラ、バラの一原種である。薄幸な感じの真っ白な花をつける、蔓性の低木。赤い実は営実(エイジツ)といって昔から寫下薬、利尿薬として重宝されたという。昨年、町内の他の数カ所で初めて出会い、すっかり馴染んでとても気に入っている。
風に揺れるノイバラの花の匂いをかぐようにビデオ撮影した。背景に藻岩山が映っていた。