いざ北へ2008おまけ7 近藤さんからのエールの意味:「シュポ神話」をめぐって


http://www.the-alist.org/wallpaper/wallpaper404.html

近藤さんがル・クレジオのマヤ神話(チラム・バラムの書)に言寄せてエールを送ってくれた。

そのコメント欄でのやり取りの中で私は何度もハッとした。まだ実際には会ったことのない、でもすでに何度も会った気がする近藤さんの透視力に改めて驚いていた。

私は数年前から断続的に続いている近藤さんとのあるチャンネルというかレベルでのこれまでのやりとりに焦点を合わせてこう応答した。

CUSCUSさん、近藤さん、近ちゃん、と呼び名を書きならべながら、今までの有言、無言のやりとりを振り返っていました。「時の他の外れ」というル・クレジオらしい言葉に驚いていました。今、手元には『チチメカ神話』、『メキシコの夢』、そして『歌の祭り』しかありませんが、彼の「すべて」を変えた「歌の祭り」のことを、そして実際にサッポロで会ったクレジオその人の実存の深さのようなものを思い出していました。私はときどきはしゃぎすぎる「子供」に姿を変える食えない「爺」ですが、そんな私のところに来てくれる若い人たちや、こうしてブログ上で言葉を星を贈ってくださる方々のことを想うと、やはり、ある種の感慨に打たれます。「チラム・バラム」の序文とともにCUSCUSをシュッポロ旗に描き込むのを忘れないようにしなければ。

それに対して近藤さんは「古代的な視線」と「シュッポロ」を繋げてくださった。

私はそれほどル・クレジオを読んでいるわけでもなく、この序文にしても20年以上付き合っているのですが「消化できてい」ません。ただ、こういう古代的な視線も、「シュッポロ」に向けて送りたい、という気持ちがありました。二風谷のことが話題になるのであれば、なおさらです。

「古代的な視線」を「現代的な視線」に読み替える必要を痛感している私は即座にギアチェンジしてこう応答した。

近ちゃん、ハートは一緒。頭はいつでもギアチェンジできるの。よろずや三上です。ル・クレジオだって、ルちゃんで、金ちゃんと同じレベル。シュポは現代の「歌の祭」。「メキシコの夢」ならぬ「日本の夢」をどれだけ見れるか、が問われてる、ぼくらの神話を作り、生きることができるかどうかが問われていると思ってる。ちなみに、クレジオの目の光りは金ちゃんの目の光りに似ているところがあったよ。マヤ神話ならぬシュポ神話が今書かれているんだよ。

そしてここからが、近藤さんの透視力の真骨頂、劇的な想起シーンである。近ちゃん、恐るべし。

>マヤ神話ならぬシュポ神話が今書かれているんだよ。

そのことは私も自覚していて、
http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20080507#c1210254824
に、その予感を書きました。


今日は、暑にのにもかかわらず外に何度も出てしまいました、にわか雨と戯れながら。今日のことはちょっと個人的な神話になるので、また、どこかでちゃんと物語りますね。

http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20080507#c1210254824」は今年の5月初めに私が金城さんの活動を踏まえてお伽噺化したストーリー「その蝶の名は」だった。それに深く反応した近藤さんはこんなコメントを寄せてくれたのだった。

>宇宙、世界の出来事の連鎖、因果の始まりとその伝わり方のイメージとして、蝶の羽ばたきはなかなかいいんじゃないかと

原初、蝶の羽ばたきで世界が始まった、という創世神話があったらおもしろい、と思いました。あるいはネット上でこれから始まる世界の創世神話になる運命なのかも。

なんという連想の力か。

お伽噺「その蝶の名は」を裏付けるつもりで最近書いたのが、中山さん(id:taknakayama)が強く応答してくれた「いざ北へ2008その33 そろそろ話してもいいかな」(2008年07月22日)だった。

このやり取りの背景では、もちろん、もっとずっと多くの人たちの言葉が出入りしている。こんな風に複数の人間の脳、外部記憶(ブログ)をつないで起こる恊働的な連想のネットワークこそ、ブログの命だと感じる。それはもはや「私の〜」ではないだろう。

しかも、近藤さんはしみじみと記しているではないか。

今日は、暑にのにもかかわらず外に何度も出てしまいました、にわか雨と戯れながら。今日のことはちょっと個人的な神話になるので、また、どこかでちゃんと物語りますね。

私は思わずこう書いていた。

近藤さん、そうでしたね。

>原初、蝶の羽ばたきで世界が始まった、という創世神話があったらおもしろい、と思いました。あるいはネット上でこれから始まる世界の創世神話になる運命なのかも。

予言的中ですね。

「にわか雨と戯れながらの神話」、楽しみにしてます^^

こうして、「日本の夢=世界の創世神話=シュポ神話」は現在進行形で協同で書き続けられているのである。しかも、書かれるだけでなく、その神話の生まれる以前から、まるでトリックスターのごとく行動する者(id:simpleA)がいたことを忘れてはならない。彼は二日後に津軽海峡ブラキストン線を超えてサッポロ手拭爺のもとにやってくる。神話の序章が終わる、と書いてもいいだろうか。ああ、これもまた、梅田さん(id:umedamochio)がプレスクリプトしていたのかもしれないなあ、とフト思った。やれやれ。