アメリカフヨウ、麦わら帽子

札幌、曇り。寒い、と感じた朝だった。

強風でビニール袋が宙に舞っていた。地上に落下するまでの数十秒間、その華麗な動きに目を奪われた。

もともとダチュラ(ヨウシュチョウセンアサガオ)が生えていた場所にアメリカフヨウ(亜米利加芙蓉, Common rose mallow, Hibiscus moscheutos)が植えられて、初めて見る形の花が咲いていた。花弁がプロペラ状で重なり合っている。ちなみに、フヨウは落葉低木で、アメリカフヨウは宿根草

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昨日は道東の網走から友人夫妻が来訪し、一日遅れの爺の誕生日を祝ってくれた。世界記録を塗り替えたジャマイカの陸上短距離選手のボルトと同じ誕生日である。何か深い因縁を感じる。私もまた誰も気づきはしないだろうが、ひそかに世界記録を次々と打ち立てているのである。この世に産まれてすでに半世紀を一年超えた。あと何回美味しいものが食えるか。あと何回楽しい出会いがあるか。そんなことをほのぼのと考えながら、次女が買ってきてくれたイチゴ・ケーキを二切れも平らげてしまったのであった。美味かった。「メタボ、メタボ」という囁きが聞こえる気がするが、無視する。ちなみに、上の合成写真に見られるように、とうとう麦わら帽子を買ってしまった。百均で315円だった。すでに季節外れの感がしないでもないが、気にしない。家族からは、頼むからそんな帽子を被って外を歩かないでくれ、と懇願されている。「わかった、わかった」と口では言いながら、しかし、内心はまったくわかっていない、そんなことには耳を貸さない花咲か爺なのであった。