時をめぐる二つの形象

W.B. Yeats photographed in Dublin in 1908.

W.B. イエイツの井村君江訳『ケルトの薄明』(ちくま文庫)の冒頭に置かれた詩「時は滴り落ちる」がずっと気にかかっていた*1


9頁

さっぱり、イメージが掴めない。俺にはやっぱり詩の才能はないのかなと思っていた。ある時、「オリジナル」を見た。え?!と驚いた。題名は「ムード」で、「モミから生まれた森」などどこにも書かれていはいなかったし、山々や森など自然に見られる栄枯盛衰の時の形象とそれに抗する時の形象としてのいわば永遠の不死の情感が謳われていたのだった。やっと少しすっきりした。

The Moods


TIME drops in decay,
Like a candle burnt out,
And the mountains and woods
Have their day, have their day;
What one in the rout
Of the fire-born moods
Has fallen away?


Running to Paradise: Yeats's Poetic Art - Google Book Search

The Celtic Twilight の全文は以下で読める。

*1:日本語訳に関しては、芥川龍之介による抄訳「「ケルトの薄明」より」(1913年)がある。http://www.aozora.gr.jp/cards/001085/card1128.html