キタキツネの足跡?


今朝、原生林の中にキタキツネ(北狐, Ezo red fox, Vulpes vulpes schrencki)のものと思しき足跡を見た。

そういえば、もう何年もキタキツネの姿を見かけない。この土地に引っ越してきたばかりの頃は自宅の周辺でも単独あるいは親子のキタキツネをよく見かけたものだった。裏山にねぐらがあるようだったが、おそらく山では十分な食料が得られなかったのだろう。人家が密集した場所でも、庭伝いに素早く走り抜ける姿をよく見かけた。夜の散歩の時に、暗がりでばったり出会う度に、風太郎は本能に火がついたように、全力で追いかけようとした。何度もリードごと引っ張られて転びそうになったものだった。この十年間、環境はそんなに変わっていないように見えるのだが、見えないところで大きな変化が起こっているのだろうか。少し調べてみたら、道東を中心にして、疥癬(かいせん)という皮膚病の感染によって激減した地域もあったという。ただし、感染の経緯に観光客の餌付けなどの人的要因も絡んでいるという説もあって、実情はなかなか複雑なようだ。20年ほど前に横浜から札幌に移住してきたカメラマンの大橋弘一さんがキタキツネとの出会いについて書いている。