鮮やかな紅葉を味わえないのは仕方ないとしても、デジタルカメラのバッテリーの充電器の「充電中」(オレンジ)と「充電完了」(グリーン)のランプの色が識別できないときや、鉄道やバスの路線図の色の違いが識別できないときや、せっかく訪れたサイトやブログの背景色と文字色が混同して文字が判読できないときには、どこか腑に落ちないものを感じてきた。赤緑色弱の私にとっては「デザイン」の一環である一定の配色が肝腎の「情報」の伝達を決定的に阻害することがある。その気になれば、近くにいる人に尋ねたり、ブラウザの設定を変えたりすることなどによってある程度は対処できるものの、多くの場合その面倒を避けて、結局勘に頼ったり、情報を得るのを諦めることが多かった。
近年、日本国内では500万人を数えるといわれる色弱者に配慮したカラーユニバーサルデザイン(CUD)の動きが公共施設の各種の表示や製品のデザインにおいて少しずつだが着実に広がっている。2004年に設立されたNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(Color Universal Design Organization)の功績が大きい。略称はCUDO(クドー)。充実した内容の公式サイトはこちら。
「設立の経緯」には、色盲・色弱者をめぐる差別の構造と歴史を踏まえて、カラーユニバーサルデザインの火付け役となった自身色弱者である二人の生物学者による啓発活動から始まり、その地道な活動がやがて多くの賛同者、協力者を得て、やがて機構設立という実を結ぶまでの道のりが簡潔にしかも説得力をもって書かれている。カラーユニバーサルデザインに関する最新情報を提供するブログも開設されている。
参考: