- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/05
- メディア: 文庫
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
瀬戸内海に浮かぶ周防大島の東和町は高齢化率日本一の過疎の町でありながら、実は日本一幸せな町である!という逆説的真実を知った。
しかもである。id:gintacatさんやid:sap0220さんも喜びそうな、さもありなん、と思わせる素敵な光景が目に浮かぶ。
周防大島の東和町をはじめて訪れたとき、なによりもまずネコの多いのに驚かされた。日ざかりの道を何匹ものネコがものうげに歩いている。
52頁
かねがね問題なのはそこに暮らす一人一人の満足度、幸福度であり、数字で語られる高齢化や過疎化に騙されてはいけないと思っていたが、本書はそんな思いに確証にちかいものを与えてくれた。ただし、「この町では、五十、六十は洟たれ小僧、七十、八十は働き盛り、八十をすぎてやっと老人の仲間入り、といわれている」(88頁)らしいので、もし八十すぎるまで生きられたら、移住しようか、なんて楽しく夢想した。