鳥の目、虫の目



藻岩神社に参拝後、ワサワサ犬のハナに声をかけようとしたが、ガレージの前で熟睡中だった。ハナが3年前に産んだハッピーという名の子がいると聞いた家を探すが見つからず。迷っているうちに小高い場所に出たので、町が鳥瞰できるポイントを探す。しかし、視界は思うようにひらけなかった。帰路、消えない街灯を見上げ、ペンキ屋さんの物置の壁の汚れを作品のように眺めた。そういえば、旅の巨人と異名をとる超民俗学者宮本常一は、初めての土地では一番高い場所に登って俯瞰、鳥瞰し、その土地の全体像を頭に叩き込んでから、土地の隅々を虫のようになって歩き見るべしという父親の教えを終生守り通したと言う。