雪。風あり。藻岩山見えず。藻岩神社の石段に薄く積もった雪には先客の真新しい足跡がついていた。ハナに声をかける。すっかり私になつく。愛嬌度が高い。今朝は顔見知りのおじいさんとおばあさんから「あれ、どうしたの?」と声をかけられる。「風太郎は死んじゃったよ、...」と報告する。二人とも驚いていた。「寂しいねえ」と言われると、寂しさが少し頭をもたげる。最後の角を曲がるとき、ふと見やった家の窓から風太郎になついていたチビがこちらをじーっと見ていた。