巨大スーパーの駐車場で

半年ぶりに、雪のない道南の町に義理の母を訪ねる。


団地に隣接した、

巨大なスーパーの、

広大な駐車場に停めた車の中で、家族が買物している間、読みかけの

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫)

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫)

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈下〉 (新潮文庫)

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈下〉 (新潮文庫)

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 中内は酷寒のソ連国境から灼熱のフィリピンに送られ、そこに置き去りにされた上に、完全に見殺しにされた。戦後、中内がすべての秩序を破壊するように、驚くべき行動を起こしていったのは、自分は国家に裏切られた、もう法秩序は信じない、という固い決意があったからに違いない。(上巻、159頁)

顔を上げると、スーパー入口上に飾られた巨大なポスターが嫌でも目に入った。なぜか「I love family」の文字と笑顔の親子の写真。絶句。冗談かと思った。