チューリップの種子


朝の散歩でよく会う米田さんが家の前のかつてナナカマドが植わっていた歩道の小さな土の空間を花園として再生させた。昨年の秋にナナカマドは強風で幹の途中からボキッと折れ、市役所の係の人が根こそぎ回収していったという。予算の関係で、新しいナナカマドを植えることにはならなかった。それで、ぽっかり空いた場所に米田さんはクロッカスやチューリップの球根を植えた。今、そのクロッカスが花盛りである。チューリップの葉も出ている。最近、米田さんはその花園を有り合わせの材料で囲った。散歩中の犬がそこに入り込んで用を足すのを何度も目撃したからである。糞は飼い主がちゃんと持ち帰るし、尿は肥料になるだろうが、せっかく出始めた芽を踏みつぶされるからである。米田さんは何もしないよりは少しやってみようかなという比較的軽い気持ちでガーデニングを始めたらしいが、チューリップの球根の扱い方など詳しい貴重な話を聞くこともできて楽しかった。そういえば、そもそもなぜ球根なのだろう? チューリップに種子はできないのか? そんな素朴な疑問とそれに対する回答はウェブ上にもたくさんあって面白かった。当然、チューリップも、受精に成功すれば、種子はできる。ただし、種子から育てて花が咲くようになるまでに5年くらいかかるのだそうだ。だから、手っ取り早く球根を使う。しかし、球根にも限度がある、云々。特に興味深かったのは、球根栽培は不自然な一種のクローン技術であり、時間はかかっても、ちゃんとした(異なる遺伝情報を持つ)子である種子から育てることを勧める意見もあったことだ。

チューリップにも種子ができるということは、あまり知られていないようです。チューリップは、種ではなく、球根から育てるものと勝手に思い込んでいるようです。球根の植物も、花が咲いて受粉がうまく行われさえすれば、ちゃんと種ができます。球根は、親の株が休眠して生まれ変わるだけですが、種子は完全にその子供になります。親の遺伝子を受け継いでいても、親と全く同じ花を咲かせることはありません。チューリップの花のあとに、実が付いて種が採れたら、その種をまいてみませんか。チューリップの種からの栽培は、花が咲くまで3〜4年かかります。でも、親とは違う花を咲かせるので、どんな花が咲くかわくわくします。

 チューリップの種からガーデニング

チューリップは通常、球根で育てますが、めしべに他の品種の花粉がつき(受粉)、子房が熟せば種子もできます。必ず種子ができるとは限りませんが、できた種子をまくと様々な色や形の花が咲き、ひとつとして同じものがありません。種子をまいて、花が咲く大きさの球根に育つまで約5年かかりますが、あなただけのチューリップを育ててみませんか。

 北陸農政局


なるほど、、。


参照