この「机上の果実の庭」に最近仲間入りしたのは左下のマサキとツルマサキの果実である。上のマルメロの実はジャムにすることも酒にすることも諦めて結局萎びてゆく過程を観察することにした。3個あったうち1個は出張から戻るとカビに覆われていたので捨てた(カビの繁殖の様子を観察する機会を失ったと少し後悔したが)。一番大きな変化はある夜、トゲトゲのダチュラ(ヨウシュチョウセンアサガオ)の実の果皮の先端がパキッという音とともに裂けて、中から小さな種子が数個飛び出して転がったことである。一瞬、それはダチュラの「音楽」と「舞踏」のようにも感じられた。散歩に出られない時、この机上の果実の庭を眺めると、彼らがもともといた場所のイメージが浮かび、ちょっと散歩したような気分になれる。