Calla、カラー、から




オランダカイウ(和蘭海芋, Calla or Calla lily, Zantedeschia aethiopica Spreng. [=Calla aethiopica L.])、別名バンカイウ(蕃海芋)、通称カラー。白い花に見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)。その内側に短い棒状の肉穂花序があり、上部に雄花、下部に雌花をつける。ミズバショウ水芭蕉)と同じサトイモ科。

佛炎苞ハ白色ニシテ闊大、長サ10cmヲ超エ、漏斗状ニ卷キテ其中央ニ棒状ノ肉穂花序直立シ佛炎苞ヨリ著シク短シ。花軸ノ長サ6–7cmニシテ白色ヲ呈シ、下方1–2cmハ雌花ヲ着ケ、殘部ノ全面ニハ微細ノ雄花ヲ密布ス。和名和蘭海芋ハ和蘭船ニ由テ移入セラレシヲ以テ云ヒ、蕃海芋ハ蠻國海芋ノ意ナリ、(中略)園藝界ニテハ一般ニ之レヲから(Calla)ト呼ベリ。

 『牧野日本植物圖鑑』(北隆館、昭和32年、31版、増補改訂版)777頁


牧野富太郎博士はさすがに短く「から(Calla)」と書いた。いつからどうして「カラー」と伸ばすようになったのだろうか。「カラ」でよいような気がするが、同音異義語が多いからだろうか。