作業台の上の鰐


Hand carved wooden crocodile ornament


先日、某骨董屋で出逢ってしまって忘我の境で八百円を支払って両腕に抱えて運んだワニの置き物が今私の部屋の作業台の上にある、というか、いる。体長八十センチ余り、重さは数キロはある。片手でひょいと持ち上げることはできない。オークだろうか、稠密で硬い材質である。木目が美しい。歯は全部欠け落ちているところも含めて、愛嬌がある。どこからやって来たのか。東南アジアかアフリカか南米か。ワニといえば、ピーター・ビアードが『夜明けの瞼 鰐と人の共通の運命』(asin:484570790X)で多数の写真やイラスト等の図版と手書きやタイプ原稿などの文章を大胆に組み合わせて示そうとした、ワニと人の殺し合いを避けられない共存のあり方を思い起こす。