普洱茶は奥が深いらしい




中国茶読本 (コロナ・ブックス)


餃子を食べた後に数年前に中国で買ってワインのように寝かせてあった(実はその存在をすっかり忘れていた)2009年物の普洱茶(賞味期間は5年と書かれている)を飲みながら今朝届いたばかりの古書、島尾伸三著『中国茶読本』(平凡社、1996年)を繙く。中国茶は茶葉の醗酵の程度などの加工法によって大まかに六つに分類されるという。「1青茶、2緑茶、3白茶・黄茶、4紅茶、5黒茶、6花茶」である。普洱茶は菌類醗酵系の「黒茶」というカテゴリーに入る。ちなみに、烏龍茶は半醗酵系の「青茶」に入る。また普洱茶には茶葉を醗酵させた後に固く圧縮して成形した長期保存がきく「緊圧茶」と圧縮しない「散茶」の二通りがある。以前、上海土産にもらったカチカチに固まった緊圧茶を苦労して削って飲んだ時のことを書いたことがある。今夕飲んだのは、解(ほぐ)す手間が省けて楽な散茶である。『中国茶読本』には緊圧茶の方が普洱茶特有の上品な黴の香りを醸し出すと書かれているが、私にはまだ緊圧茶と散茶の違いは分からない。その違いが分かったとしても、普洱茶はもっと奥が深いらしい。しかし、それ以前に、そもそもツバキ科の常緑樹の一種であるチャノキ(茶の木, Tea plant, Camellia sinensis)の実物を見たことさえないのだった。


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