ジョナス・メカスによる365日映画、12月17日、351日目。
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Day 351: Jonas Mekas
Monday, December 17th, 2007
1:45 min.
a video postcard
from Keith Sanborn
with love
from Russia
キース・サンボーン
からのビデオ・ポストカード。
ロシアより
愛をこめて。
冒頭「キースからメカスへの音楽レター」と英訳のついたロシア語の字幕が入る。
背後に書棚の見える一室で固定カメラを覗き込む眼鏡をかけ帽子を被ったキース。「やあ、同志メカス。これは私から君への音楽の手紙だ」と彼はロシア語で挨拶する。英語字幕が入る。そしておもむろに、掌にすっぽり入るほど小さな内部が丸見えのおそらく手作りのオルゴールをカメラの前にかざして、「演奏」を始める。ゼンマイ式ではなく、手動でシリンダーを回転させている。可憐なメロディーのごく短い、約18秒の曲(未同定)が終わる。やや間があって、「ノスタルジーは古びた方法ではない」とひと言今度は英語で言う。ロシア語字幕が入る。 最後に「2007年12月8日/マーシャに大いなる感謝を!」と英訳のついたロシア語の字幕が入る。マーシャ(Masha)が誰かは不明である。
***
キース・サンボーンの活動に関しては、wuemme experimental filmに要を得た日本語の解説がある。そこで紹介されているデジタル複製時代における所有権と著作権を問題視する試みとしてのビデオ作品「ワルター・ベンヤミンによる複製技術時代の芸術はキース・サンボーンに語りかける」("The Artwork in the Age of its Mechanical Reproducibility by Walter Benjamin as told to Keith Sanborn" Video, 1996)をこちらで見ることができる。YouTubeをテーマにした会議のビデオ・ドキュメント ‘Video Vortex: Responses to YouTube’ Conference, Argos, 05.10.07で自作を論じるキース・サンボーンを見ることができる。
また、キース・サンボーンの
アレクサンドル・コジェーヴ(
Alexandre Kojève, 1902-1968)に傾倒した思想に関しては、
「歴史の終焉?」(The end of history?)という写真と翻訳テキストによる「ウェブ作品」から窺うことができる。それに関連する特筆すべき仕事として、一方に『
Napoleon: How to Make War』(1998)の翻訳があり、もう一方には
ギー・ドゥボール(
Guy Debord, 1931-1994)、
ルネ・ヴィエネ(
René Viénet)、そしてジル・ヴォルマン(
Gil J. Wolman)らの「状況主義者(
Situationist)」の映画の翻訳がある
*1。
なお、キース・サンボーンの経歴、伝記的事実に関しては調べがつかない不明な点が多いが、Argos blogによれば、現在はプリンストン大学でヴィジュアル・アーツの講義を持っている。