『ウェブ進化論』を読む8:生き方を変える

受講生の皆さん、こんにちは。
今回は本題に入る前に、この講義の成績評価の仕方とその一環の次週の試験についてお話ししました。評価の比重については、出席カード3割、標準的情報倫理問題が3割、『ウェブ進化論』から出題する記述式問題が4割です。出席カードに関しては、提出率と記述内容の質(授業内容の理解度と思考や工夫の跡がみられるかどうか)が評価の分かれ目になります。
なお、標準的情報倫理問題の試験対策としては、下記INFOSS(情報倫理学習教材)を活用してください。
http://nettutor.sapporo-u.ac.jp/nettutor/
また、法律関係については、三上研究室の方に参考になるサイトをリンクしてあります、

本題の「『ウェブ進化論』を読む」は今回で8回目、最終回を迎えました。「終章:脱・エスタブリッシュメントへの旅立ち」の深いポイントのひとつである「生き方」をどう考えるかに絡めて、本題に入りつつ、眼に余る態度の学生さんにかなり強く説教しましたが、それを聞いていた他の学生さんたちにとっても、今の大学生活を根本から見直すための、いいきっかけになったようで、何よりです。
説教は多岐にわたりましたが、その中で最も大切な点だけ書いておきます。目標を見失ったり、自分さえ見失ったりして、やる気が出ないことは誰にでもいつでも起こりうることです。まずはそういう自分の状態に気づくことが先決です。そして知っておいたほうがいいことは、そういう状態になる原因のひとつは、そうとは気づかない環境の変化だということです。高校から大学への変化、受験勉強から社会で生きるのに必要なスキルを磨く勉強への変化、実家での暮らしから一人暮らしへの変化、等々。そのような環境の変化にうまく対応できないが故に、結果的に「やる気」を失うわけです。そんな状態から脱出する方法はひとつしかありません。変化した環境に対応するように「自分を変える」ことです。それまでの、今までの「生き方を変える」しかないのです。
実は梅田さんが「終章」で語る自身の人生を大きく変えた経緯と日本の若者たちへの熱い思いと実践を読んで、そこから汲み取ってほしいと私が願っていたことは、正にそのことであったわけです。そしてそこに宝石のようにちりばめられている自分を変える、生き方を変えるための数々のヒントを盗んで活用してほしいと思っています。例えば具体的方法として、「時間の使い方の優先順位」を変える、ということがあります。現在の自分の時間の使い方の優先順位をチェックしてみれば、いかに「無駄」が多いかに気づくことができるでしょう。それによって、無駄の少ない新しい時間の使い方の優先順位を立てる。それをするだけでも、すでに「自分」と「生き方」は変わり始めたことになるのです。
そういうわけで、自分の生き方を見つめ直す目線で、もう一度「終章」と、そして『ウェブ進化論』全体を読み直してください。