365 Films by Jonas Mekas


2006-12-20のエントリー「Mekas launches a yearlong film-a-day series」で紹介したジョナス・メカスさんの365日映画の試みが1月1日から始まりすでに2日分2本の作品がアップされた。

365 Films
http://www.jonasmekas.com/Merchant2/merchant.mvc?Screen=CTGY&Category_Code=365JAN&mon=0

リーリースその日のうちなら、無料でダウンロードできる。それを過ぎると有料($1.99)。ただし冒頭部分の試写版は無料で見られる。
記念すべき一日目の映画は3分10秒の作品。サイトの画像では

New Year's Day.
What luck! What luck!
A pale blue sky!
Issa

小林一茶の句の英訳が引用されている。オリジナルの句はおそらく

元日や
上々吉の
浅黄空

ではないかと思う。クレジットタイトルは、

Me, at Zebulon,
a music bar in Williamsburg,
Brooklyn, dedicating this
365 day series to
Petrarca (1304 ? 1374) the poet
who wrote 365 poems to Laura,
the woman he loved.

Music by Himalayas.

愛する女性に365の詩を書きおくった14世紀の詩人ペトラルカに捧げられている。ペトラルカに習って、メカスは今日から毎日365の映画を誰に届くか分からない手紙ようにネットに投ずることを、あの人生の震えそのもののような強いリトアニア語訛の震えるような英語(?)で歌うように宣言している。

二日目は、4分6秒の作品

In Avignon, at the Cloister
of St. Louis
,
reading the mystic,
Moshe Chaim Luzzatto.

一転して、18世紀のイタリア生まれのユダヤ人の哲学者Moshe Chaim Luzzatto(モーゼス・ハイム・ルッツァット)の"The Knowing Heart"の読書と朗読。場所はフランスはアビニヨンの16世紀の面影を残すクラリオン・ホテルの部屋と素晴らしい中庭。メカスの朗読の声("the variety of goodness"という言葉が耳に残る)、風にそよぐ巨大な樫の木の葉擦れの音、木が足元におとす南仏の柔らかい光と影の揺動、そして水。人生に必要なサウンドとイメージの凝縮された愛らしくさえある断片のように感じる。