超迷宮としての本

本の読み方に関するbookscannerさんの卓抜な「路線図/地図」の比喩を、本の電子化という文脈から外れた場所で考えていた。

路線図とは目次、地図とは索引である。読者は著者の指示(路線図)通りに読む義務はない。索引(地図)を頼りに気ままに読む権利がある。しかも索引(地図)は本に掲載されているものに限られない。私たちは頭の中の索引(地図)を総動員して一冊の本の中を旅する。あるいは外を。

ところで、しかし、私はそもそも路線図(目次)はもちろん、地図(索引)もない本が好きだ。というか、そんなものが役に立たない本が好きだ。人生に目次や索引がないように、というか本当は作れないように、というかある意味では死ぬまで作り続けなければならないように、私の好きな本は、わかりやすい入り口も出口もない、ある意味ではどこもかしこも入り口であり出口であるような、超迷宮(Super Labyrinth)のような本である。