ジョナス・メカスによる365日映画、6月、180日目。
Day 180: Jonas Mekas
Friday June 29th, 2007
5 min. 40 sec.
Another episode
of my sit-pods:
Benn reveals his
love for Norah --
別の挿話。
ベンがノラ
への愛を明かす。
6月23日(174日目)の「挿話」の場面の続きのようだ。アンソロジーのオフィスで、酒はワインからウィスキーに進み、ベン(Benn Northover, 1980-)はかなり出来上がっていて、上機嫌で饒舌になっている。厳しい表情だったリンダにも笑顔と笑い声が絶えない。すでに5月12日(132日目)「煙草は恋人の足取りを月まで捜すBenn Northover with Oscar Wilde」で、ベンはノラ・ジョーンズ(Nora Jones, 1979-)に夢中であることを明かしていた。
今日はノラ・ジョーンズの「ストーカー」を自認するベンが、結婚するんだとまで半分冗談、半分本気で夢見がちに熱く自分を曝け出すかのように語る。最後には左の二の腕に黒のマジックペンで"NORA"と書いて、ハートマークを三つ描く。そしてハートの中を赤のマジックペンで塗りつぶす。カメラ=メカスは終始冷静のようだ。途中、メカスはカメラを自分の顔に向けて、非常に複雑な表情を見せる。ややあきれた表情にも見えるが、これもまた「楽園の断片」には違いない。
ノラ・ジョーンズがインド人のシタール(sitar)奏者ラヴィ・シャンカル(Ravi Shankar, 1920-)を母にもつことを初めて知った。歌はビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915-1959)に、ピアノはビル・エヴァンス(Bill Evans, 1929-1980)に強い影響を受けたらしいことも。