小啄木鳥

札幌、曇り。涼しい。

藻岩山。頂上付近がわずかに霞んでいた。

紫陽花はまだ蕾だ。

畑と野原が一部乗り入れ合って同居する空間で、野菜Xとアスパラガスの素晴らしいコラボレーションを見た。収穫を見送られたお陰で、「本来」の姿を見ることができたような気がした。野菜Xは「注射器」を振り回しながら踊ってるように見えた。アスパラガスは沢山の花(?)をつけ、見たことのない球形の「実」までつけていた。これがアスパラガスの実か?今まで実だと思っていたのは花のようだ。

午前遅くに、久しぶりに川(豊平川)向こうの真駒内の住宅街の中に紛れるように存在するパン屋に行く。ドイツで修行なさったご主人が焼くパンは極上。評判を聞きつけて、遠くからやってくる客が絶えないようだ。お店の外で庭の花の写真を撮っていると、車でやって来た年配の男性が、「ここのご主人ですか?」と声を掛けてきた。友人に教えられて北の方からやってきたという。住宅街の中を探し回ってやっと見つけた、ととても嬉しそうに話していた。

昼食後、二階の部屋で『文學界』7月号に掲載されていた鈴村和成氏の「『村上春樹ノモンハン』を行く」を読み始め、鈴村さんが九死に一生を得たくだりに差し掛かったあたりで、裏山の林からギー、ギーと耳慣れない鳴き声が聞こえて、何だろうと思って、カメラを持って外に出た。コン、コンと木を突つく音がする方を凝視していると、見えた。


小さな啄木鳥(きつつき)だ。コゲラ(小啄木鳥Japanese Pygmy Woodpecker, Dendrocopos kizuki)だった。