ジョナス・メカスによる365日映画、8月、223日目。
Day 223: Jonas Mekas
Saturday August 11th, 2007
2 min. 28 sec.
Lee Radziwill
on her way to
NYC , summer,
sunset, just a
memory --
リー・ラジヴィル
ニューヨークへの途上にて、
夏、日没、
ささやかな思い出…
本当にかそけき映像。ほの暗いトンネルの中を覗き込んでいるかのような錯覚に囚われる。何重もの厚い時間の膜の向こう側にかつてたしかに展開したメカスの人生の断片が、こちら側で夢の映像のように体験される。セピア色の古い無声フィルムが再生されるのをデジタルビデオカメラで撮影した映像。移動する車中の後部座席から撮られた林の向こう側に沈み行く太陽、助手席で髪をとかすリーの様子、そして停車した車の中から撮られたある建物の中に消える人物の姿。リー・ラジヴィルのようには見えない。男性に見える。識別できない。フィルムの回転速度の変化や同じ場面の反復などの編集が施されている。車の走行音や気になる物音は、メカスが作業している場所で聞こえるものだろう。
1960年代後半から1970年代はじめにかけて、メカスはジャクリン・ケネディ・オナシス（Jacqueline Kennedy Onassis）の希望で、彼女と実の妹リー・ラジヴィル家族と数回にわたって避暑にお伴して、彼らの日常を撮影した。そのフッテージは1972年に編集を始めるも結局未完のまま「楽園のこちら側：未完の伝記の断片（This Side of Paradise: Fragments of an Unfinished Biography）」と名付けられた。今日の映像はそのフッテージの一部編集済みの断片であるように思えた。別の断片として、JONASMEKAS.COMのCollection of 40にはJackie & Lee: Fragments of an Unfinished Biographyがアップされている。
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一昨日、ブルックリンを襲ったストームの映像はいつかアップされるだろうか。
