ぼくのコラソン:OTTさんの「ボサノヴァ日本語化計画」

ウェブ上の多方面の良質な情報源に関して大変お世話になっている「知られざる佳曲」のくまさんが私の2月4日のエントリー「ボサノバの秘密」へのコメントの中で教えてくださったOTT(あっと)さん(ブログ「Os Dias Desafinados調子外れな日々」)の「ボサノヴァ日本語化計画」が素晴らしい。

「うた」というのは恐ろしいもので、なぜかというと、それ自体すでに恐ろしいコトバという存在と切り離せないからだ。だから私たちは、「うた」を求める一方で、必死で「うた」の魔力から逃れようとしているようなところがある。

というコトバとの関係における「うた」に関する鋭い洞察を背景にしたOTTさんの軽妙な訳詞とその脱力した歌声に、病み上がりの私は深く癒されると同時に、日本語でボサノヴァなんて絶対無理、無理と思い込んでいた私の先入観もまた快く打ち砕かれたのであった。力が入り過ぎて硬直しがちな日本(人、語)の「調子を外す」計画、その限界に正面から堂々と挑むかのようなOTTさんの奮闘に拍手を送るとともに、そのウェブ上の存在を知らせてくれたくまさんに重ねて感謝したい。このエントリーの「ぼくのコラソン」というタイトルはOTTさんがブログの名前にも使っている「調子外れ(untuned)」という意味の「ジサフィナード (Desafinado)」という曲に登場する鍵言葉である。

これを聴いて、久しぶりに日本語の「うた」に深く慰められたのだった。それと、これらにも。