Au Revoir Parapluie(Farewell Umbrella, 傘よさらば):365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、12月26日、360日目。

(Kaori Ito)
Day 360: Jonas Mekas
Wednesday, December 26th, 2007
6:50 min.

a glimpse of Au Revoir
Parapluie
at BAM,
with James Thierree,
Kaori Ito ---light and
happy ----

ブルックリン音楽学院(Brooklyn Academy of Music:BAM)における
「傘よさらば」
を一瞥する。
ジェイムズ・ティエレ
伊藤郁女(いとうかおり)
軽快で楽しい。

あのチャーリー・チャプリン(Charlie Chaplin, 1889-1977)の孫としても知られるジェイムズ・ティエレ(James Thierrée, 1974-)脚本兼監督の一種のサーカス劇「傘よさらば」(Au Revoir Parapluie)の概要については、BAMのプレスリリースのページAu Revoir Parapluieで知ることができる。以下その拙訳。

「傘よさらば」はアクロバット、ダンス、マイム、そして音楽が氾濫するかのような身体劇の驚異の融合である。舞台は、金色にぴかぴか光る衣に覆われ意味不明の言葉を口にする好奇心をそそる生き物の登場とともに始まる。その生き物は金色の衣を脱ぐことができずに、顔を苦悩に歪める。幕が上がり、不吉に渦を巻くロープの束が現れる。取り替え子(changelings:さらった子の代わりに妖精たちが残すとされた醜い子の意。)*1がそのロープをよじ登ったり、空中遊泳したり、揺り椅子と黒布の巨大な牧草との決戦の踊りを踊る。「傘よさらば」によって、並外れた才能と人を引きつける魅力を備えたティエレと彼が率いる驚くべき劇団は、人間の苦悩と歓喜の非常に微妙な均衡を表現するのに成功している。

そのページでは各誌の批評記事へのリンクも充実している。また51秒の予告編ビデオで舞台全容の雰囲気をつかむことができる。

メカスによる「一瞥」(a glimpse)は伊藤郁女(いとうかおり)が吊り下げられた巨大な不吉に渦を巻くロープの束と戯れる危険なアクロバットの場面とティエレの迫真のパントマイムの場面に集中している。しかもなぜか特に伊藤郁女に集中しているように感じられる。それだけ彼女のパフォーマンスが光っていたのだろう。

*1:ちなみに、大江健三郎に「取り替え子」という作品がある。それに関する浅田彰の書評が面白い。http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/i001212b.html