- 作者: レイナルドアレナス,Reinald Arenas,安藤哲行
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2002/04/01
- メディア: 単行本
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以前軽く触れたように、
特定の場所に縛られるものではない「少年期の幻想」を描いたとされるレイナルド・アレナスの自伝的な処女小説『夜明け前のセレスティーノ』には、そうは言っても、日本では見られない動植物、初めて聞く名前の動植物、中南米特有の動植物なども登場します。
そんな名前は通り一遍の読書の中では一種の暗号と化してしまいます。私はついつい、散歩で出会った見知らぬ植物や野鳥を調べるのと同じ気分で、本に登場する見知らぬ動植物の名前を手がかりに、それらについて調べてしまいます。
『夜明け前のセレスティーノ』に登場する動植物のなかで、少なくともその名前から実物の正確なイメージが湧かなかったものは以下の通りです。
テリハボク(照葉木, Calophyllum inophyllum)
マドルライラック(Gliricidia sepium)
マンゴー(檬果/芒果, Mangifera indica)
フジバカマ(藤袴, Eupatorium japonicum)
グアバ(蕃石榴, Psidium guajava L.)
ゲッケイジュ(月桂樹, Laurus nobilis)
スズメバト(雀鳩, Columbina passerina)
イラクサ(刺草/蕁麻, Stinging nettle, Urtica dioica)
カポック(Ceiba pentandra)
ゼニアオイ(銭葵, Malva sylvestris)
エビスグサ(胡草/恵比須草, Senna obtusifolia)
ヒメコンドル(Cathartes aura)
シロガネヨシ(白銀葦, Cortaderia selloana)
ダイオウヤシ(大王椰子, Roystonea regia)
興味おありの方はぜひリンク先の写真等で実物をご覧ください。ああ、こんな植物や動物との交流のなかで育まれた感受性が独特の物語世界の土壌の栄養分をなしているのか、と独り合点しています。