風太郎の「笑い顔」 × 爺の笑顔 ≈ ∞

札幌、薄曇りのち晴れ。暑い!

今朝から始まった町内笑顔のデリバリー・サービス。出足は予想外に好調であった。毎朝何気なくやってきたことではあるのだが、自覚的にやりはじめてみると、今の自分にできること/できないこと、成功/失敗の違いがはっきりとしてくる。その失敗の理由をきちんと探れば、新たな成功への道が拓ける! 何大げさなこと云ってんのよ。

今朝は合計9人の心に花を咲かせることに成功した。内2人は少年。実はこれはまるで荒野のような自分の心を耕していることのような気がしてきたから不思議である*1

もちろん、そもそも風太郎が(よく云われるように)もともとの顔の造作がふざけたアインシュタインみたいな「笑い顔」なので、彼の存在に助けられていることは分かっている。爺一人なら、こんな成果を上げることはできなかったろう。それが証拠に大きな失敗をした。たんぽぽ公園での出来事だった。

驚いたことに、公園内の8匹の動物たちは化粧直しをほどこされて、ピカピカだった。これはグッド・タイミング、笑顔の練習を兼ねて集合写真を撮ろうと思って、カメラを固定してセルフタイマーにセットしているところに、段ボールを抱えた少年二人がやって来た。ここであらかじめちゃんと世間話をするなり、心の準備を整える時間を作ればうまくいったものを、私は焦ってしまった。タイミングを計り間違った。いきなり、「ちょっと一緒に集合写真、撮らない?」と切り出してしまったのだ。ギョっとまではしなかったが、一瞬彼らが明らかに身も心も引いたのは分かった。「なんだ、この爺は!」と思ったに違いない。しかし、セルフタイマーの照明が点滅している。もう数秒しかない。すると、一人の少年は笑顔になって、一緒に写ろうとしてくれた。もう一人の少年は恥ずかしそうにちょっと距離を置いた。そしてその結果はこうだった。

意外にも、私が二人を説得しているビミョーな瞬間が写っていた。焦ってはいけない。ちゃんとコミュニケーションをとらなければ。

あっ、モソモソと左右に揺れて歩く後姿。何だ、タヌキか!

と思った動物が振り向いたら猫だった。高級毛皮を纏っているように見えた。

風太郎の「笑い顔」+爺の笑顔の効果が絶大だと感じたのは、今まで話したことのないちょっと強面のある方が笑顔で話しかけてくれたりしたことである。その方は町内のある役員を務めていて、ちょうど町内に住む「独居高齢者」リストを片手に安否を調査して回っているところだった。数十人の名前がずらり並ぶA4の紙2枚を見せてくれた。「やっぱり、女性が多いですねえ」という私の言葉に、その方は「そうさなあ、みんな旦那に先立たれたんだ...」とちょっと複雑な表情を浮かべながら応じてくれた。でも、基本的にずっと笑顔だった。

昨日のフサスグリと近縁のグーズベリー、セイヨウスグリ(西洋酸塊, gooseberry, Ribes grossularia)の実も完熟していた。

*1:「人間は、心は、関係性である。」(花咲か爺)