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ルーちゃんと三ちゃんの架空の対話3

三ちゃん:最近、何考えてんの?

ルーちゃん:言葉って、無数の鍵盤からなるピアノみたいなもんだと考えるといいのさ。無数の弦からなるギターでもいいけどね。だから、一言発する、一文字書き付けるってことは、そんな途方もない無限楽器の一つの鍵盤を叩いたり、弦を爪弾いたりすることなんだ。するとどういうことが起こると思う? 残りの鍵盤や弦の全ても一斉に密かに共鳴、共振するのさ。はっきりとは聴き取れないかもしれないけど、全体が一斉に鳴るんだよ。壮大な音楽の始まりだね。言葉を使うってことは、そんな大変な、スリリングなことなんだ。

三ちゃん:独り言みたいだなあ......