大型スーパー Big House の駐車場に南向きにとめた車内で、家族が買い物を終えるのを待つ間、本を読んでいたら、視界が明るくなったことに気づいた。見上げると、電線が輝いていた。それまで空を覆っていた雲がいつの間にか切れて陽が差していたのだった。
読んでいた箇所には、「ちょうど」小津安二郎のある印象的なエピソードが引用されていて、「町筋」という言葉にハッとしていた。町の「筋」、いいなあ。でも、使ったことがないなあ。
シンガポールの人っ子一人いない真昼の町筋で、風が吹き、ゴミが舞う光景が撮りたいのだと、小津は二日間その道に低くカメラを据えたままだった
高橋治『絢爛たる影絵』406頁〜407頁
「戻って来てはカメラをのぞく」小津安二郎の姿が(活写されていて)、印象に残る……
吉増剛造『天上ノ蛇、紫のハナ』10頁
いい感じだなあ。
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