藻岩神社

札幌、曇り。藻岩山から吹き下ろす冷たい風が頬や耳たぶを刺す。毛糸の帽子を目深にかぶり直す。藻岩神社の境内は、除雪が追いつかず、正面の入口からは入れない。鳥居を潜ることができない。脇の駐車場入口から入って、境内を斜めに横切って、石の階段を登り、社殿に辿り着く。誰もいない。社務所にも人の気配はない。各方面の知り合い全員と家族の無病息災を祈る。この冬は、季節外れの暖気と雨のせいで、いまのところ極端に雪が少ない。表通りの車道の雪は消えアスファルトがつながる。目にはかえって寒々とした光景に映る。散歩の後半、小雪がちらつきはじめた。