サッポロのワサワサ犬ことハナに挨拶してから、久しぶりに上の土地に通じる坂道を上っていると、真っ白な犬を連れた少女に出会った。間違いないと思って、声をかけたら、案の定、その犬はハッピーだった。ハナの娘である。会いたい、会いたいと思っていた。もう３歳になるという。ハナと同じようにすぐになついてきた。
記念撮影させてもらったとき、カメラを向けてシャッターを押す瞬間だけ、ハッピーはピタリと動きを止めた。まるで分かっていてポーズを取ったかのようだった。それを見て、少女も私も思わず笑った。その造作だけでなく、一瞬見せる表情にハナの面影がちらつく。
