世界がどんなでも真になる命題をトートロジーという。逆にどんな世界でも偽になる命題を矛盾という。トートロジーは意味に満ちあふれすぎて無意味になり、矛盾は意味をなさないことによってかえって思いもかけない意味を生み出す。トートロジーと矛盾の間にぼくらの言語活動は繰り広げられる。世界を固定的に見る者はトートロジーをオウムのように繰り返す。世界を流動の相において見る者は矛盾に賭ける。つまり新しい世界の誕生に賭ける。コミュニケーションに賭ける。失うものなど何もないと覚悟する。何かをこっそりと守ろうとする者は矛盾を恐れる。匿名の下に、首尾一貫したトートロジーを繰り返す。つまんない。さようなら。