記憶の彼方へ007:私の知らない曾祖父母か


父が遺した写真の中には祖父母の代に撮られた写真もかなりの数あるが、写っている人物を特定する手掛かりがすでにないものが多い。そんな中でもこのスタジオで撮られたらしい何かの記念写真に写っている人たちは一体誰だろうとずっと、この5年間、気にかかっていたものである。最近、ある時、ピンと来て、中央が若かりし頃の祖母であることが分かった。髪型こそ違え、「記憶の彼方へ001:私の知らない祖父母」(2008年02月27日)に載せた祖母の顔の特徴とぴったり重なることが分かったからである。それにしても不思議な写真だ。写真の劣化のせいではなく、祖母だけが鮮明に浮き上がり、他の人物はなぜかブレてピントが合っていなかったり、背景に沈んでいるからである。視線もバラバラである。合成写真のように見えなくもない。祖母の当時の年齢が二十歳だとすると、撮影されたのは、大正末、1925年頃である。向かって右は祖母の姉とその子か。向かって左の丸髷の女性は曾祖母か(なぜ彼女だけが丸髷で、祖母と姉らしき女性はそうではないのか)。そして背後霊のように立っているのは曾祖父か。分からないことだらけで、分かったからといって、どうということもないのだが、こうして記録として残っている以上、もう少し何かを読み解く、読みとることはできないか、と時々眺めている。


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