36人との船出


2年生32人、3年生1人、4年生3人、計36人の学生と情報倫理をめぐる旅に出た。船出した。いくつかの港を経由してある港を目指す。船に乗り込もうか乗り込むまいか思案気の彼らが立つ岸壁に私も立って話を始める。船に乗り込むにあたっての準備について、準備する物もあるが、心の準備の方が決定的に重要であることを強調する。そして話は、一気に、そもそもなぜ今ここにいるのか? に遡り、自分を本当に大切に扱うとはどういうことか? に至る。特に、日々刻々と過ぎて行く生活を数年後の社会への門出に向けて方向付けながらこつこつと積み重ねて行くことや、いざというときの決心、決断、腹をくくることの大切さを力説する。36人全員と将来の展望について言葉を交わす。まだ頼りなげな視線、表情、姿勢、態度から、揺れ動く心が見えて来る。すべてはもう始まっていて、何をすべきか、そしてどう終わるべきかも見えている。実際には、インターネットの基本的な諸動向を踏まえた上で、そこで問われるべきモラル、行動指針、法律のあり方等に関する議論を学びながら、狭い視野に囚われることなく、すでにインターネットを織り込んだ現実が新しい段階を迎えつつある時代と社会全体の動向をこそしっかりと見据えて、よりよく生きる道を探る半年間の講義がこうして始まった。出だしはまずまずだが、途中何が起こるかは分からない。