2011-07-13 EARLY TIMESの薔薇 写真 廃庭では薔薇はまったく目立たない。冬の間に雪の重みで押しつぶされ、勢力を増すレンギョウの陰にすっぽりと隠れ、枝の一部は地面を這い、かろうじて陽のあたる場所でわずかに花を開いている。雨に濡れた地面に触れ、少し土のついた薔薇の花は私をしばらく見上げていた。その小枝を持ち帰り、EARLY TIMESの古いショットグラスに生けた。 かぜのはな(昭和二年) このつめたい底にすわって 眼をひらく、 すべては かぜのはなです。 『大手拓次全集 第二巻 詩II』223頁