カモメの群れを背にして両脚を投げ出して座り込み、放心したように動かない翁の姿からしばらく目が離せなかった。1965年、ニコラ・ブーヴィエは白老のアイヌを訪ねた後、この辺りを歩いて、登別温泉に向かったのだった。
竹浦 たけうら
白老町内の地名。室蘭本線竹浦駅は、敷生駅であった。古くはこの辺一帯を敷生村と呼んでいたのであって、シキ・ウ(鬼茅・多い)の意。敷生コタンがあった。語呂が悪いとかで今の竹浦にされた。敷生川のすぐ奥の支流にトピウ(トピ・ウ 竹・多い)という処があり、竹の名産地であったので、それをとって竹浦と改名したのであろう。
山田秀三『北海道の地名』385頁
「シキ(siki 鬼茅)」とはオニスゲ(鬼菅, Carex dickinsii)のことであろう。