トランプのカードであり、地図であり、証明書であり、名刺であり、はがきであり、品書き(メニュー)であり、見本台紙であり、そしてなにより自由(アラカルト a la carte)であるカルト。画材も買えないほどの困窮のなかでクートラス(Robert Coutelas, 1930–1985)が残した6000枚におよぶカルトは、彼の内面が画材からも自由であった証である。見ていると、厳しくも温もりのある彼の自由な精神に触れているような気持ちになる。
追記。小島剛一さんからのコメント。
フランス語の「carte」という言葉を「自由」と結びつけるのなら、熟語の「donner carte blanche à qqn ; laisser carte blanche à qqn」と「avoir carte blanche」をお忘れなく。「全権委任= 全き自由」を意味する表現です。(2011年11月24日)
参照